米ドル(US Dollar Index)は、中東情勢の緊張が高まる前の水準付近まで戻っています。現在は98.10付近で推移しており、2月27日の終値97.60と比較して約0.5%の差にとどまっています。
ただし、3月31日に記録した高値100.50からは約2.44%下落しており、明確な弱含みが見られます。
この動きは、他市場の環境と対照的です。原油価格は2月末比で約32ドル(約48%)上昇しており、長期金利(米10年債)は3.968%から4.283%へ上昇。2年債利回りも3.772%まで上昇しています。欧州でもドイツ国債利回りは2.65%から3.0675%へ上昇しており、金融環境は明確に引き締まっています。
それにもかかわらず、米ドルは相対的に弱く、他資産はむしろ回復しています。例えばS&P 500は6,886.24で引け、2月末比でプラス圏を回復しています。
為替市場は非常に流動性が高く、実体経済の資金フローに強く結びついているため、投機的に歪められにくい市場です。そのため、現在のUSDの弱さは無視できないシグナルといえます。一方で、金利市場との間には一定の乖離が見られています。
EUR/USDは現在1.1765付近と、2025年初のパリティ水準から大きく乖離しており、ドルの構造的な弱さが示唆されています。
背景として重要な点は2つあります。
一つは、イランがホルムズ海峡を通過するタンカーに対し、暗号資産や人民元での通行料を課したこと。
もう一つは、Marco Rubioが、今後5〜10年で制裁の実効性が低下する可能性に言及した点であり、ドルおよびSWIFT依存の低下を示唆しています。
テクニカル分析
週足では、DXYは昨年春に100.35の重要サポートを3年以上ぶりに下抜け、その後95.60付近まで下落しました。このレンジは2018年〜2019年の取引帯と一致しており、現在も大局のレンジとして機能しています。
直近では100.325(約10セッション前)が戻り高値となり、そこから調整が進行しています。
日足では、停戦発表日に短期上昇トレンドラインと99.18のサポートを同時に下抜け、下方向のギャップを形成しました。現在は97.85付近のサポートに接近しています。
ベースケースとしては中期的な下落継続が想定され、97.05のテストが視野に入ります。短期的には一時的な反発や持ち合いもあり得ますが、大局ではレンジ内推移を維持しつつ、今後数週間で96.30方向への下押しも想定されます。